おめめの歯形

自分の足跡を残すというより、必死に食らいついて歯形くらいしか残せない

あいつ

今なにしてる?

 

TV番組のタイトルだが、有名人のかつての同級生が今現在、なにをしているか探る内容だ。

 

番組内容に異論はないが、

私の性格が卑屈すぎて思うことはある。

「今の自分に自信がある側の一方通行」

つまりは、成功者がやることなんだと思ってしまう。

 

例えば。

極端ではあるが、昔はお嬢様で学校のマドンナ。

しかし、親の会社が倒産で借金地獄、さらには男に騙され、現在はシングルマザー。生活保護を受けながら暮らし、体型も変化、身なりに気も使えない。

(※決して差別ではなく、あくまでも例え話です。バリバリ働いて頑張るシングルマザーも沢山おりますから。)

なんて人が、旧友は今、何しているかなんて気にかけるだろうか。

そんな余裕もないだろうし、逆にそんな成功者に会いたいなんて思うだろうか。

今の自分を見てもらいたいだろうか。

 

人は、自分に余裕が生まれて初めて、他人のことも気にかけられるのではないだろうか。

 

さて、本題。

以前、このブログにも書いた、前に働いていた職場の上司から連絡がきた。

なんでも近々、入籍予定だそう。

メールには、社交辞令だと思うが、私に凄く会いたいと書いてあった。

 

おかしな話だ。

一年ちょっと前まで、貴方の送別会を開こうと計画していた私に対し、遠回しに会いたくないと拒絶したのは貴方自身ではないか。

 

私は上司の「会いたい」を文字通りに、素直に受け取れなかった。

そこで思うわけだ。

きっと、今、上司はすごく幸せなんでしょう。

大変なことも多いけど、婚約者がおり、毎日が充実しているのでしょう。

心にゆとりができて、私に連絡できるくらいの余裕も生まれたんでしょう。

今の、幸せな自分を見てもらいたいのかもしれない。

上司は今、何がきても跳ね返せる鎧を身につけたのかも知れない。

 

ただ、私。

連絡をもらった時、一番はじめに、おめでとうございますって出なかった。

 

バカにされているな、と思った。

勝手だなって。

私なりに気を使って連絡を取った時、ことごとくスルーしたの、どこの誰でしたっけ。

 

そんなことした相手に、今更、凄く会いたい、というフレーズ、よう出てきましたね。

 

貴方が幸せなら、それで結構ですし、

貴方はブレずに、私を嫌いなままで良かったんですよ。

 

100歩譲って。

もし、あの頃、貴方に全く余裕がなかったとして。

そういう気持ちもわかるから。

でもそれなら、久しぶりの連絡は、謝罪の言葉があってもいいのでは。

 

連絡、返せずにごめんね。と。

 

私がもし、上司と同じように、誰かの連絡をスルーしたら、それはもう会いたくない意思表示でもあるし、自分から二度と連絡はしない。

故意にスルーしたことはないけれど。

それに、自分が相手してしまったことは覚えている。

 

上司はそこまで深く考えてない事もわかっている。

私の方が年上なのに、こんな意地の悪い感情を持ってしまって大人気ないとも思う。

祝い事なんだから、手放しで祝福してやるべきであろう。

 

ただ私も、大人だがそれなりに傷ついている。

その、傷ついている可能性を考えない上司の事を私は残念に思うし、子供なんだな、と思う。

 

結局、あくまでも、うわべだけの祝いの言葉を返しておいたが、それに対する上司の返信も、やはり会う方向に持っていく内容だった。

 

前面に押し出してくる、余裕。

どうしても見て欲しい、今の私、感。

仕事も全く違った分野にいき、スローライフを送ってるそうだ。

婚約者がよほど稼ぎがいいのだろう。

 

どうでもいい。

勝手に幸せになってくれ。

私も幸せにやってます。

私のことは忘れて欲しい。

 

このまま、会う方向になるのだろうか。

やんわりと、忙しい雰囲気、機会があれば、、的なかわし方をしているが、ハッピーサマーウェディング上司には伝わっていないようだ。

 

私もキッパリ会いたくないと言えたらいいが、そうも言えないこのポンコツ性分。

連絡は途切れがちだが、一体どうなることやら。

会うことになれば、祝いの品の1つでも渡さなければいけない。

 

ただ、ただ、面倒。

マナー

映画が好きだ。

とても好き。

 

「通」でも、

「マニア」でも、

「博士」でもない。

単に、好き。

 

映画館の特別感も、またいい。

劇場って、非日常へ連れて行ってくれる。

そのため私たちも、

その世界に足を踏み入れるには、

その世界の「マナー」を守らないといけない。

 

さて。

本日、レディースデーということも手伝い、見逃していた話題作を観に近くの映画館へ。

 

話題+人気作なので、何回も足を運ぶ人もいると聞いていた通り、公開から日が経っているにも関わらず、結構な人数が観に来ていた。

もちろん、レディースデーなので女性が多数を占めていた。

 

自身で選んだ、通路側の席へ腰を下ろすと、ぐっと高揚感が増す。

俄然、楽しみになってくる。

携帯の電源を切り、上映まで待つ。

通路を挟んだ斜め下の席に、母娘の姿があった。娘さんは4、5歳だろうか。

字幕がわかるのかしら、という素朴な疑問を抱きつつ、まぁ雰囲気でもわかりそうな作品だからなぁ、なんて思っていた。

 

スクリーンに、上映に先立ってのマナーが流れると、先程の母娘の母親が娘に、「◯◯ちゃん、聞きましたか?マナーを守ってくださいね」

と言い、娘も元気よく「はーい!」と言っていた。

 

続いて予告編が流れ、いよいよ本編がはじまる。

正直、好みのテイストではないが、話題になるだけあり、徐々に世界観に引き込まれる。

と、映画の中で、観客が拍手をするシーン、おや?と、すぐ近くでも拍手が聞こえる。

エンドロールでもなんでもない、序盤のシーンの出来事だ。

音のする方をみると、先程から登場している、母娘の娘ちゃんが手を叩いていた。

 

映画の中では、観客が足を鳴らし始めた。

すると、娘ちゃんも席から立ち、足を鳴らしはじめた。

 

これは、いいのか。ありなのか。

この作品は、一緒に皆んなで踊りましょう!的なテーマがあるのか。

私が知らないだけかもしれない。

しばらくして、母親がやんわりと席に座らせていた。

 

こうなってくると、もう、この母娘が気になってしまう。

今日はもうダメだな、と心の中で思っていた。

こうなると作品がしっかり入ってこない。

 

その後も、色々な箇所で娘ちゃんが反応していた。

さらに、途中で母親のスマホがなった。

 

嘘だろ、と思った。

 

静かなシーンではなかったので、音はそこまで響いてなかったが、そういうことじゃあないよ。

そして暗い客席に灯る、絶対不必要な光。

慌ててはいるが、ちゃっかりスマホチェックしている。

 

おいおい、さっきマナー守れって言ってたのドコノドイツダヨ。

 

不快指数が着実に増えていく。

 

最後の方、娘ちゃんはまさかの通路まで出てきて踊っていた。

母親は戻すことも注意もしない。

 

斜め下の通路の階段で踊る4、5歳の女児、、、

暗いし、転倒でもしないか気が気ではない。

 

周りの人はどう思っているのだろう。

私の不快指数は頂点まで達していた。

 

それでも、エンドロール後までしっかり見届けた。

場内が明るくなり、娘は母親のところまで戻り「すごいおもしろかったから、たくさんおどったよ!」と言っていた。

 

意味がわからない。

 

私の心が狭いのか?

子供がいないからわからないのか?

親の責任だよ、完全にコレ。

 

まず、映画は自由に観るものだと思う。

ただ、そこは公共の場である。

大勢の人がいる、映画の鑑賞の仕方もそれぞれだろう、だからこそ共通のマナーがある。

 

しかしマナーは、携帯の電源を落とし、喋らないこと、席を蹴らないこと、などあるが、確かに「通路で踊ってはいけません」も、「上映中、拍手や足を鳴らしてはいけません」のアナウンスはない。

じゃあ今回のってOK?いやいや、基本中の基本は静かに観ることじゃないの?

大前提に、周りの人に迷惑になりそうな行動や言動はしてはいけないよね?

 

兎にも角にも、私は腑に落ちなかった。

レディースデーでお手頃価格とはいえ、

私も映画を楽しみに、料金を払って観にきている。

母娘にとって、自分たちの思うままに楽しんだ時間は、私にとっては苦痛を伴う時間だった。

 

あまりにも微妙な感情になったから、

帰ってこの作品のことを調べたら、

応援上映」なるものの存在を知った。

 

これは、この作品に限らず行われているもので、近頃人気の上映スタイルでもあるそう。

 

それは、発声、拍手、手拍子、コスプレOK!

そんなまさか!と思う内容。

さらには、サイリュウムとペンライトも使用可となっていた。

驚愕である。

 

もちろん、これは特別ルール。

その上映の時だけ、皆で楽しみましょう!ってこと。

 

うん、ここじゃね?

母娘が行くべきとこ、ここじゃね?

 

今日はさ、普通の上映の日じゃんかって思ってしまった。

そーゆうのあんならさ、そっちで思い切りやったらいいじゃない。

 

それでも、お母さん、貴方ね、スマホの電源を落とすってゆう、当たり前のことだけはしましょう。

 

モヤモヤな気持ちは残るが、それでも作品に罪はない。

パーセンテージ

普段、テレビを見ない私が、たまたまつけた画面に、ちょっとゴツめの女性がインタビューを受けていた。

 

番組のワンコーナーらしく、自分が思う、もしくは、他人から似ていると言われる芸能人を答えるというもの。

さらにその後番組で、どのくらい似ているか機械を使用してパーセンテージを出すという、結構エグいものだった。

 

「口元とか、よく言われます」

先ほどの、ちょっとゴツめ女性がアピールしており、私は広瀬香美かな?と思っていたのに

 

広末涼子です」

って答えたもんだから、1人なのに思わず

「ふざけんなよ」と言っていた。

 

「おいおい、2パー、2パーだよ、君の広末要素」

と思っていたのに

 

「67%」

って番組の機械で出たもんだから、

1人なのに思わず

「ほぼ広末じゃん!」と叫んでいた。

 

悔しかった。

君でほぼ広末なの?

そうなの?

 

私だって色々言われたことあるもん!と、

いらない対抗心が芽生えた。

 

過去にお世辞でも似ていると言ってもらえた、美女たちの面々を思い浮かべ、

そのうちの誰か1人くらい、もしかしたら高いパーセンテージが出るかもしれない。

 

私はスマホで検索を始めた。

【芸能人 似ている アプリ】

上記のワードで出たアプリは4つほどで、

そのうち最も評価がいいものをダウンロードした。

 

正直、バカなことをしていると思った。

これは誰の為のものなんだ。

この時間はなんなんだ。

 

アプリのダウンロードが終わり、

早速起動してみる。

 

男性か女性を選び、

ジャンル(すべて、女優、モデル、タレントetc...)を選び、

自撮りする流れだ。

 

自撮りの瞬間が一番キツかった。

自分、ヤバイわ、と思った。

30オーバーで、何やってんの?

大丈夫?

美女に近づきたいなら、今すぐホットヨガでもやって、マクロビ食べて、インスタにあげたほうがいいんじゃない?

 

否。

私はホットヨガをやりたくないし、マクロビを食べたくもねぇ!

(※インスタも辞めたわ!)

悔しいんだ!今すぐパーセンテージが欲しいんだ!

 

女性と、ジャンルはすべてを選択し、

意を決して自撮りした。

 

スッピンだ。

表情は笑顔とも考えたが、ここは真剣勝負と思い、真顔で自撮りした。

 

診断スタートのボタンを押す。

アプリが私の顔を照合するのに、数秒かかっている。

 

パッと画面が切り替わり、人物の名前が出た。

 

蟹江敬三

 

二度見した

 

蟹江敬三

 

カニエケイゾウ、、、

 

あーうん、うん、好き。

亡くなってしまったけどね。

演技も良かったし、そう、

声もね、渋くてさ。うん。

 

、、、、

 

 

ちげーーーーーーーーーーーーー!!!!

 

色々ちげーーーーーーーーーーー!!!

 

そーゆーことじゃあないんだよ!

 

おい、クソアプリ!!!

 

女性のセレクトどこいったんだよ。

何てことしてくれてんだよ。

もはや、何からツッコめばいいかわからず、

私の感情、迷子だわ。

 

今、できることがあるとすれば、

2パーっていった広末似の彼女への謝罪くらいだ。

トラへ

20年間「猫」そして「家族」として、

私と生きてくれてありがとう。

 

まぁ、私とは19で離れちゃったから、10年くらい、一緒に住めなかったけど。

 

私が地元を離れても、帰るといつでも穏やかに、あったかく迎えてくれるのはトラだけでした。

 

私はトラが好きで好きで、大好きで。

トラが「ニャア」ってなくと、本当に可愛くて、すぐチューして嫌がられたね。

でもトラ、優しいから、その後、ちゃんと甘えてくれて、お腹を見せてなでろってやってきたんだよ。

 

とっても食いしん坊で、途中から太っちゃって、糖尿病になっちゃったんだよね。

 

お母さんのせいもあるけど、もっと私も気を付けてあげれば良かった。

ごめんね。

 

大変な手術を頑張ったあとは、急激に痩せてしまったね。

それでも食欲は旺盛で、なんか安心してたの。やっぱりもっと、気をつけてあげれば良かったかな。

 

トラが生きている中で、家庭のゴタゴタに巻き込んで、トラは何回も引越しをしたよね。

疲れたよねぇ、ごめんね。

 

トラを可愛がってたおばあちゃんもいなくなった時は、トラも寂しかったよね。

ここ数年は、お母さんが受け入れた野良猫もやってきて、本当は甘えたかったはずなのに、大人で優しいトラは、我慢してみんなと仲良くしてくれたね。

 

思い返しても、トラの良いところばかりで、こんなに可愛くて仕方なくて、性格の良い猫ちゃんに出会えて、私はラッキーでした。

 

昨日ね、お母さんからトラが危ないって連絡もらった時、また?まだ大丈夫でしょって思ったの。

ほら、これで3回目くらいでしょう?毎回帰っても、トラ元気でさ、ここ最近はすっかり歳をとっちゃったけど、帰ってはトラをキレイにするの、楽しみだったんだよ。

でも、目ヤニとか、鼻とか、もっと優しく吹いてあげれば良かったね。ごめんね。

 

で、今回ね、仕事でとても疲れていて、先週末もロクに休めなかったから、久々の休みになりそうで、私ね、帰るの躊躇ってたの。

最低だよね。

トラが苦しんでる、自意識過剰かもだけど、私に会いたいかもしれないのに。

最低。

 

でも、お母さんが泣き出すし、送ってきてくれた画像みて、あぁ、今回ばかりはダメだなぁと思って、金曜日に仕事終わらせて、そのままトラに会いに行ったんだよ。

 

そしたらもう、片目が見えないし、立てないし、声にならない声でなくし。

私は頑張って、絶対泣かないと決めて、一日中、ずーっと、夜もずーっと、トラのそばにいたんだけど。

 

今朝、トラはおばあちゃんのところへ行っちゃったね。

段々弱ってくトラを見てね、どうか楽になってって思ってたの。

長生きしてくれたもん、もう最後はね、苦しんで欲しくなくて。

でも、病気のせいかなぁ?やっぱりずーっと苦しんでしまって。

あぁ、もっと健康体で逝かせてあげたかったなぁって。

トラは怒ってる?

 

最後の最後は、やっぱり涙が止まらなくて、楽に逝かせてあげたいのに、もっと長生きしてほしくて、連れて帰りたいくらい愛おしくて。

なんでもっと大切にしなかったの?なんでもっと早く帰ってこなかったの?後悔ばかりでした。

おばあちゃんの時とおんなじ。

人間ってバカだねぇ。

バカなこと、繰り返してんの。

 

お母さんはずーっと泣いてたね。お母さんもトラが大好きだったんだよね。

私は涙と鼻水まみれで、冷たくなったトラを、お湯と濡れタオルでキレイにしたけど、寒かった?大丈夫?

 

トラ、もう天国へ行った?

おばあちゃんにあった?

 

おばあちゃんとトラは食いしん坊だったから、2人で沢山、美味しいもの食べてね。

 

トラ、大好き。

 

ありがとう、本当に。

 

私はこんな生き方だから、

天国へ行かないかも知れないけど、

万一、天国へ行ったら、

今度はずーっと一緒に暮らそうね。

 

いーっぱい、なでさせてね。

 

そして私を見上げて

「ニャア」って言って。

 

ことばとかもじとか

このブログは、全体に公開しているものの、見ている人はゼロに等しい。

 

自分の気持ちの居場所を作りたくて始めてみたものだし、全然更新しないから、何かに引っかかったりして身バレする心配もない。

 

このようなサービスを使っていて矛盾していると思うけど、普段、現実にいる私を誰も知らないから安心なんだ。

これを書いているのが「私」と誰にも知られたくない。

 

巷のSNSもそうだ。

便利で誰かと繋がれる分、自分の情報がダダ漏れ。誰にでも存在を知られてしまう。

だからfacebookも辞めたし、インスタも辞めた。

私にとってのSNSは、恐怖だ。

 

さて、私の趣味の1つに映画鑑賞がある。

映画館に足を運ぶのは月に3回程度だが、レンタルや月額サービスでは1日に3本観たりする。

 

自分の記録として、アプリを使うことにした。

観た映画と、その感想を記録しておくのだ。

そのアプリは他人とも繋がれる。

私は身バレしない程度の情報のみを公開していたはずだが、友人にバレた。

それもそのはず、その友人とは数回映画を一緒に観に行っており、私自身が「このアプリ使っててー」とうっかり言ってしまったのだ。

 

友人はアプリなどに興味がないと思っていたら、どうやらそうでないらしく、友人もアプリを使い始めたのだ。

 

私の映画の感想を見た友人からは「普段のおめめじゃないよね」や「意外」と言われるまでは良かった。

面倒なのは、友人もアプリ内で映画の感想を残すようになった。

そうなってくると、私とものすごい好みが違うことがわかってしまった。

これじゃ、もう映画を一緒に観に行くことはできない。

さらに、私はアプリ内の自分は普段の自分と切り離しているが、友人は違ったのだ。

私が映画を観て感想を残すと、友人にも通知が届いてしまう。

すると友人から「◯◯観たんだね」などとLINEで連絡がくるようになってしまった。

 

私はまた1つ、自分を表現する場を失いそうだ。

大げさかも知れないが、それくらい私にとっては大事なアプリだった。

 

心がモヤっとする。

私はどうして心が広くないんだろう、映画なんて娯楽の1つだし、好みだって人それぞれだから気にしなくていいのに。

だけど、私は映画の感想でも、自分の言葉を残しているという自覚がある。

それは、実はとても本質的で、普段の自分では表現できないような事も、言葉や文字にできているという楽しみ方をしていたのだ。

友人とは楽しみ方が違っていたのだ。

 

私を知っている人に、私の書いたものを読まれる恐怖。

それと矛盾して、私を知らない人には、私の書いたものを読んでほしい自己承認欲求。

 

こんな面倒な自分にも辟易してしまう。

 

私はどうして、こんな事1つもうまくこなせないんだろう。

どうして、うまくできないんだろう。

 

私はそのうちアプリを辞めるだろうか。

600本近い映画の履歴と、300件近い感想を無かったことにするのだろうか。

たかだかアプリ。SNS

いっそ、もう全て辞めてみようか。

 

私は私を消せるのだろうか。

アイスクリーム

朝から。
イビキをかいて、電気、エアコンつけっぱなしで眠る主人をよそに。

私は飼い猫を病院へ連れてゆき、連日の雨で出来なかった洗濯物を乾かしにランドリーへゆき。

帰ってから家事を一通り済ませ。
やっと起きた主人にお腹が空いてないかの確認をし。

雨の毎日、週末も籠りがちになるので、主人を映画に誘うも今日は嫌だと断られる。

夕食にラーメンでもいいね、と言って1人でラーメン屋を調べる。主人は相変わらずテレビに夢中だ。

結局、お腹がさほど空いてない状態になり、スーパーへ主人と出かけた。

車内で。
行きも帰りも、最近読んだ小説の話をしたのは私だ。主人が勧めた小説だから、話も盛り上がると思ったのに、だいぶ前に読んだらしく、盛り上がらない。

帰って簡単な夕食を済ませた。

話題をと思い、芸能人の話をしたら、不快だと言われた。

不覚にも泣いてしまった。

私の何がいけないか、自分でもわかっている。
でも、私の何がいけないか、自分でもわからない部分がある。

主人は優しい。
私が寝ていたらパンを買ってきてくれたり、
愚痴も沢山聞いてくれる。

主人は仕事で毎日疲れてるだろうから、私は頼み事もお願い事も最小限に抑えてる。

でも、そうゆうことじゃない。
全然違う。

泣いたら謝られた。

きっと違う。
何かが違う。
絶対的に違う。

底なし沼にいるようで、心が折れる

誰も助けてくれない。

アイスを食べている途中で泣いたから、アイスはデロデロに溶けていた。

 

私も溶けてしまいたい。

10月は石原さとみからスタート

実家がある片田舎から、母親が上京してきた。

一緒に舞台観劇へ行くのだ。

東京駅で待ち合わせ、ランチをし、会場へ向かうスケジュールだった。

 

東京駅は連休の為か大混雑しており、どこのお店も並んでいると予想していたが、意外にどのお店も空いていた。

三連休のど真ん中の東京駅は、単なる目的地までの通過点でしかないようだ。

 

母の希望で定食屋に入り、簡単にランチを済ませて店を出たが、観劇までにはまだかなり時間がある。

せっかくなので東京駅の近辺でブラブラすることにした。

 

母は特に欲しいものがなかったが、私は先日からマスタード色のセーターを探していた。

カタチにもかなりこだわりがあるので、なかなか見つからず困っていた。

東京駅の近辺など、普段全く来ないので、ここで掘り出し物があるといいな、と思いマスタード色のセーターを探した。

 

色々な店を回る中、ふと、イエローのニットワンピースに目がとまる。

とてもとても素敵。

母も「おめめちゃん!これは可愛いわよ!」とガンガン勧めてくる。

でも、私が欲しいのはマスタード色のセーターで、しかもワンピースだと着回ししにくいし、と私自身は後ろ向き。

 

「あてるだけ!ね!鏡で!」

「や、いいよ、ホント」

このくだりを店前で繰り広げていたら、案の定、店員につかまった。

ホント、アパレルの店員って美人でスタイル良い人が多すぎ。

 

「ぜひ♪ご試着だけでも!」美人店員も勧めてくる。

「ほら!おめめちゃん!ほら!」

母の声も力む。

言っておくが、私は32歳と半年の立派な大人の女性だ。

母にとってはいつまでも子供だろうが、いちいち「おめめちゃん!ほら!」なんて言われる身にもなってほしい。

 

うーん、でも確かに可愛いな、と結局試着することに。

フェイスカバーだけ、お願いしますね」

そう言った美人店員に案内された試着室でパンプスを脱いだら、靴下に穴が空いていた。

美人店員はスルーしてくれたが、一気にこのイエローのニットワンピースを着る資格がないように思えた。

 

試着室でモタモタしていると、外で母と美人店員が盛り上がっている。

いつものことだが、母は褒められて喜び、普段大きめ声がさらに大きくなっている。

 

「田舎からでてきたんだけどねぇ、これから舞台を観に行くの!」

「わぁ!いいですね!素敵なお母様とお嬢様なので、客先でも注目されますね!」

「あら!嬉しい!おめめちゃん!聞いた?ねぇ!素敵ですって!」

 

聞こえているが、こっちはやっとニットワンピースを試着したところだ。外の会話になんてかまってられない。

試着室の鏡で見ると、ワンピースはめちゃくちゃ可愛い。

しかし、どうにも服に着られている感。

私の背が足りない、細さが足りない、顔の小ささが足りない、つまりは総合的に足りない。

着こなせないかな?

でも可愛いなぁ。

 

「おめめちゃん、着れた?」

母の催促で試着室の扉を開けた。

 

「わぁ!お似合いですぅ!とっても!」

マニュアル通りの台詞を美人店員からもらう。

「おめめちゃん!いいじゃない!」

何を着てもそう言う、母のいつもの台詞をもらう。

 

「うーん、でも、着られてない?ワンピースの威力に追いつけない」

否定してみるものの、ちょっと欲しくなってる自分がいる。

 

「良かったら外の大きな鏡でどうぞ」

美人店員の言われるまま、大きな鏡で見る。

こうゆう時、他の店員やお客さんがいて恥ずかしいんだよなぁ、と思っていたその時。

 

「おめめちゃん!これね!石原さとみも同じの着たんだって!石原さとみ!」

 

その時の私の顔を、誰か撮っておいて欲しかった。

母の大きな声に、他の客の目線が、一気に私に集中したのがわかる。

 

続けて美人店員も「そうなんですよぅ!ドラマで!」と続ける。

 

私の目は完全に死んでいただろう。

頭の中は全面謝罪しかない。

ホント、私なんかが着てすみません。

 

石原さとみが衣装で着ていただけで、それを着たら石原さとみになれます?

 

なれねぇ。

 

「えー!じゃあ、買います!」ってなる?

 

なんねぇ。

 

「ホントにお似合いですよ」

美人店員が盛り上がるが、私はもうこの地獄から早く抜け出したくてたまらない。

 

「とりあえず、着替えます」

そう言って試着室に戻り、美人店員にイエローのニットワンピースを渡し、少し考える旨を伝えた。

 

「あれ似合うの、たぶん、石原さとみだけだよ」と母に告げると

「そんなことないよ!おめめちゃんも、とっても似合ってた!」励ましてもらった。

 

すごい可愛い、、、でも、石原さとみの重圧がハンパない。

 

石原さとみになったら買うわ」

「やだ、面白い、おめめちゃん。でも、石原さとみは色違いだって」

「え?」

石原さとみは、違う色だって」

 

 

私の家のクローゼットには、イエローのニットワンピースがかかっている。